企業や組織は誰のために存在するのか? この問いに社会福祉法人こうほうえんは、「地域のため」と答える。介護を中心にしつつ、地域のニーズに合わせ、医療や保育、障がいという事業も融合させている組織だ。
「地域との共生」と「地域との連携」を大切にするこうほうえんの経営・運営には多くの特徴があるが、そのなかでも教育研究はとくに高い評価がある。「当法人は『人財と苦情が2大財産』という価値観を大切にしています。真に力のある職員でなければ、苦情の価値に気づくこともできません。そこで重要なのが教育なのです」(教育研修人財部長・永田寿子氏)。いろいろな社会福祉法人で、”ご利用者本位のサービス提供”とうたっている。しかし、果たしてどこまで追求でき、実現できているか。こうほうえんは、常に”ご利用者本位”の意識を持ち、取り組んでいる。
「私たちが大切にする考え『互恵互助』は、お隣の人と共存するということ。誰かがやるのではなく、自分がやる。困った人がいたら手を差し伸べる。差し伸べられた人は、今度はその人が手を差し伸べる側になる・・・。これがいつの日か、恵みとなって自分に戻ってくるのです」(廣江研・理事長)。この関係が成り立ってこそ、「地域のための組織」「ご利用者本位のサービス」が実現する。こうほうえんでは、最近、とくに問題になっている低所得家庭の学習支援や企業の介護離職防止にも積極的だ。地域の中で孤立しないようなサポートも行い、包括的な仕組みづくりに果敢に取り組んでいる。
マナーやコミュニケーション、そして教育や研修によるスキルアップが、ここまで効果としてはっきりしているのは珍しい。また、挑戦する職員を全面的に応援し、失敗があっても守ってくれる人だと、理事長の廣江氏のことについて聞くと、職員は口をそろえて答える。
こうほうえんに就職する多くの人は、介護や看護、保育といった専門的職業の経験者やそういった学校の卒業生が多いが、もし、未経験者だとしても、スキルアップして地域に貢献していきたいと考えるなら、そして挑戦を応援する職場に魅力を感じるなら、こうほうえんは、ベストな職場であろう。